高音質「ハイレゾ」で各売場活性化

ASC-845J 真空管アンプ

家電メーカーが「ハイレゾリューション(ハイレゾ)」と呼ぶ高音質の音楽を扱うオーディオの新製品を増やしている。配信サービスを通じてCDを上回る音質で音楽が楽しめる。保存・再生するには専用の機器が必要で、各社は本格的な音楽を求める消費者の需要に期待している。

 17日に都内で開いた見本市「オーディオ・ホームシアター展」で、ソニーは「ウォークマン」のAシリーズを前面に展示した。ハイレゾ対応の携帯音楽プレーヤーでは世界最小・最軽量で価格も2万円台に抑えた。

 Aシリーズは家電の年末商戦の盛り上げ役への期待が大きい。ビックカメラはソニー製品の売り場を刷新し、ハイレゾ機器の品ぞろえの比率を2割から8割まで高める。

 ハイレゾリューション(高解像度)は収録された音をできるだけそのまま再生する「ハイファイ(高忠実再生)」に含まれる。情報量はCDの3~8倍、圧縮音源「MP3」の30倍で、これまで聞こえにくかった繊細な音を再現できる。音響機器の業界団体、日本オーディオ協会(東京・港)は6月、周波数などハイレゾの規格を定義した。

 ネットを通じて1曲単位で曲が聴ける音楽配信サービスが定着するなか、手軽さだけではなくより本格的に音楽を聴きたいとの需要が高まったことで、携帯音楽プレーヤーや家のリビングに置くコンポ、ヘッドホンなどに対応機器が広がっている。

 すでに自社のサイトでウォークマンの予約を受け付けているソニーでは「10代からの予約が伸びている」(ビデオ&サウンド事業本部の中川克也事業部長)という。

 一方、パナソニックは4年ぶりに復活した高級音響機器ブランド「テクニクス」の中核にハイレゾ対応機器を据えている。税別158万円のアンプや、約84万円のプレーヤーなど高級価格帯をそろえており、家でじっくりと音楽を聴きたいシニア層の需要を見込んでいる。

 国内の音響機器市場は携帯音楽プレーヤーの普及で1988年の6620億円をピークに下降。2013年は6分の1以下の1017億円まで縮小した。その間に米アップルが携帯音楽プレーヤーと配信サービスで収益を得た。ハイレゾの市場は世界的に立ち上がったばかり。日本の各社が開発に力を入れているのは、今回は新たな市場を取りこぼしてはいけないとの強い危機感がある。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ページ上部へ戻る